Sさんの一日
電動車イスを使用しているSさん。版下科に所属し、印刷作業の編集部門を担当しています。施設利用前から得意だったパソコン作業ですが、印刷専用ソフトの操作は初めての経験でした。約1年半をかけて基本的操作を習得。現在、応用的操作の習得と見やすいデザイン・レイアウトの作成を課題として取り組んでいます。
作業場面以外でも先輩利用者の方と平日・休日問わず積極的にコミュニケーションを取りながら、社会人として様々な経験をすることも目標の一つとなっています。
Sさんの一日 就労継続支援B型・版下科
- 通所
- 6時に起床し、朝食・身支度を済ませると、7時に家を出ます。
最寄り駅まで家族に送迎してもらい、駅からは駅員さんのサポートを借りながら乗車。勝田台駅につき、エレベーターを利用しバス停へ。運転手さんにサポートしてもらい車イス用のスロープを利用し車イスのまま乗車。安全に施設まで通所しています。
- リハビリ体操
- 施設に到着し、タイムカードを押し、その後、リハビリ体操を行います。障害上全ての体操を行うことは難しいですが、できない体操動作の際は自分の体に合ったオリジナル体操をして積極的に体を動かしていました。
- 打ち合わせ
- 版下科で一日の作業の打ち合わせを行います。担当作業、先方校正日(お客様に編集したものを確認のため提出する日)の確認、利用者間での作業分担などを中心に打ち合わせを行っていました。
- 市内中学校・学校要覧 編集作業
- 午前中は、昨日から引き続き、市内中学校から受注している学校要覧の編集作業を行いました。
受注物件によって作業分担はその都度変わりますが、今回は他の作業とのかねあいも影響して、文字入力・編集・写真の加工までを一人で行っていました。学校要覧には教職員名簿の表などもあり、特に人名の誤字に注意しながら編集を進めていました。
- 昼食/休憩
- 午前中の作業も予定通り終了。12時から13時まで、待望のお昼休憩になります。Sさんは障害上、調理員に食事を決まっている席へ配膳してもらいます。食事後については自分自身で電動車イスを器用に操作し、配膳カウンターまで片付けていました。「自分でできる事は自分でやる」ことを大切にしているそうです。
- 校正作業
- 午後の最初の作業は、他の利用者が編集した物件の校正作業を行いました。誤字・脱字・レイアウトデザインなどがお客様の指定通り、もしくはバランス良く仕上がっているかの確認作業です。この校正作業でしっかりと確認しておかないとクオリティーの低い編集物をお客様に確認させてしまったり、最悪の場合、刷り直し(納品後のクレームによるやり直し)につながるので、特に慎重な作業が求められます。
- 写真加工作業
- 校正作業が終了すると、再び中学校学校要覧作業の続きです。教職員一覧に挿入する集合写真の色調整を行いました。デジタルカメラで撮影された写真データを画像編集ソフトで開き、モノクロ色に変換、明暗コントラストをはっきりさせるなど、印刷に適した色に調整しました。暗かったり、小さかったり、紙ベースの写真であったりなど、原稿写真の状況に応じて加工作業や手順も変化するため様々な知識や技術が求められます。
- 作業日誌の記入/片付け/着替え
- 14時50分になると、毎日記入している作業日誌に行った作業内容と反省を記入し、作業場を片付け、着替えを行います。作業日誌は毎週金曜日に版下科職業指導員へ提出します。
- 帰宅
- 15時に朝と同様、タイムカードを押し、帰宅します。天候が悪いときは、家族が迎えにくることもありますが、基本的には行きと同様、電車とバスを利用します。家に帰ると、体操と夕食とお風呂を済ませ、TVを見たり好きなことをして、ストレッチをしてから就寝するそうです。
- 休日
- 隔週の土曜日、訪問リハビリを受けています。家では読書、パソコン、弟とゲームをして過ごします。また、友達や施設利用者と遊びに行くこともあります。